説明

1869年、ボローニャに生まれ、弟のオレステ・カンディと共にラファエレ・フィオリーニに師事しました。1888年、ジェノバに移り住み、1892年に自身の事業をスタートさせます。キャンディは、ヴァイオリンに限らず生涯を通して非常に美しい装飾楽器を沢山世に残しています。

1906年、ミラノ博覧会においてヴァイオリン部門で金賞を獲得。1907年には、ボローニャでカルテット部門（ヴァイオリン2台、ヴィオラ1台、チェロ1台のセット製作）において優秀賞に輝きました。Roccaの死後、ジェノヴァ市議会が所持するパガニーニの愛器「カノン」の管理責任者となり、1937年、クレモナで開かれたストラディヴァリ没後200年記念祭で展示するため、この「カノン」の修復作業を行いました。この記念祭では二台のヴァイオリンと一台のヴィオラを発表し、ヴィオラで金賞を獲得しています。

キャンディは、エウジェニオ・プラーガに加え、全体的なラインの美しさなどエンリコ・ロッカから影響も大きく受けています。その独創性とヴァイオリン界に彼の技術を継承する多くの弟子を輩出したことで、20世紀のジェノヴァのヴァイオリン製作者のなかで最も重要な人物とされています。