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Enrico Marchetti (エンリコ・マルケッティ) 1909

価格:ASK

Turino / Italia

1909

鑑定書:Eric Blot

商品コード: XF0511S8501/E.MARCHETTI(C) カテゴリー: , タグ:

説明

エンリコ・マルケッティは半世紀以上の長きにわたり輝かしく活躍した、20世紀初頭のトリノにおける最も優れた製作家の1人です。
1855年、ミラノで生まれたエンリコ・マルケッティは、Luigi Bajoni(ルイジ・バヨーニ)やGaetano Rossi(ガエタノ・ロッシ)のもとで修業を積み、1874年にトリノに移ると、巨匠プレッセンダの流れを汲むリナルディ(Benedetto Gioffredo ‘Rinaldi’)のもとで、その後は古典クレモナを継承するグァダニーニ派のAntonio Guadagnini(アントニオ・グァダニーニ)のもとで研鑽を積みました。1881年に独立すると、マルケッティはその卓越した技術と芸術性により、1884年のトリノ、1885年のアントワープ、1885年と 1886年のパリ、1887年のトゥールーズ、1894年ミラノ、そして1898年トリノなど、多く国際的な展覧会で高い評価を受け賞を獲得しています。

彼はストラディヴァリやグァルネリ・デル・ジェズなど様々なモデルを使用しましたが、中でもGiovanni Battista Guadagnini(ジョヴァンニ・バッティスタ・グァダニーニ)やGiovanni Francesco Pressenda(ジョヴァンニ・フランチェスコ・プレセンダ)など、彼より前にトリノで活躍していた弦楽器製作者からインスピレーションを得たものが多いです。また、ミラノ出身の弦楽器製作者に敬意を表して、テストーレ・モデルの使用も非常に一般的です。

マルケッティの楽器は、その音質と職人技から高い評価を受けています。イタリアンヴァイオリンの伝統を受け継ぎながらも、独自のスタイルと音色を持ち、多くの演奏家やコレクターに愛されています。

このヴァイオリンのニスは、下地に黄色の層を施し、その上に柔らかいオレンジブラウンの層を重ねています。

また、オリジナルのラベルには「ENRICO MARCHETTI Mediolanensis Premiato con diciotto Medaglie alle
primarie Esposizioni estere e nazionali
Fecit Taurini anno Domini 1909」と記されており、下部には「Il violone detto suo capolavoro Il figliuoli dedica uno dei suoi lavori al Maestro Enrico Marchetti」と手書きの献辞が記されています。このような署名が入っている場合、製作者自身が強く誇りを持って仕上げた作品である可能性があります。

さらに、内側底部とバスバーの横にそれぞれ手書きのサインが刻まれています。

このヴァイオリンは、音色は鮮やかで温かく健康的です。音の密度も高く、質感があります。ダイレクトで直感的なレスポンスにより表現の幅が大きく広がります。ダイナミックなボリュームもありホールで美しく響き渡るため、ソリストに最適な1挺と言えるでしょう。

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