Romeo Antoniazzi (ロメオ・アントニアッツィ)
価格:ASK
Milan /Italia
1909
鑑定書:Eric Blot
Description
ロメオ・アントニアッツィは、イタリアのクレモナで弦楽器製作家だった父Gaetano Antoniazzi(ガエタノ・アントニアッツィ)の8番目の子として生まれました。ガエタノは、「クレモナの栄光」と呼ばれた弦楽器製作の伝統を受け継ぐ最後の名工J.B.Cerutiの孫Enrico Ceruti(エンリコ・チェルティ)の弟子でした。ロメオは兄Riccardo Antoniazzi(リッカルド・アントニアッツィ)と共に、当初はLeandro Bisiah(レアンドロ・ビシャッキ)やMonzino工房向けに楽器を納品していたため、彼自身のラベルによる楽器は稀です。
1887年にミラノに自身の工房を構え、1904年以後にミラノ、トリノ、パリで開催された博覧会では金メダルと銀メダルの受賞歴があります。ロメオとリッカルドのアントニアッツィ兄弟はGiuseppe Pedrazzini(ジュゼッペ・ペドラッチーニ)、Ferdinando Garimberti(フェルディナンド・ガリンベルティ)、Piero Parravicini(ピエロ・パラヴィッチーニ)など多くの弟子を輩出し、近代ミラノスクールの礎を築いた重要な製作家であり、1885~1910年の時期に特に優れた作品を残しています。
1909年にミラノで製作されたこのヴァイオリンは、すべての主要部分がロメオ・アントニアッツィによるオリジナルであり、ラベルもオリジナルのものが貼られています。柔らかく透明なオレンジブラウンの上質なニスを纏っており、彼の黄金期の中でも最後の時期の見事な作品であり、この時代におけるイタリアの巨匠の優れた作品の一つです。
このヴァイオリンが、原寸大の数々の写真と共に詳細な情報がCremona Books(写真ご参照ください)に掲載されています。また、2002年クレモナにて、20世紀のロンバルディア地方のヴァイオリン製作者に関する展覧会が開催され、エリック・ブロット監修によるカタログ本(写真ご参照ください)82-83頁にも紹介されているヴァイオリンです。